含水率
試験の位置づけ
- 含水率測定は、粉粒体物性測定における環境依存性物性を把握する基礎水分特性評価試験
- 粉体特性測定の中でも、粉粒体の力学特性や粉体流動性評価に直接影響を与える重要管理項目
- 粒子径分布測定(Particle size distribution)や粒子形状解析と関連づけた凝集挙動解析の補助指標
- かさ密度測定(Bulk density)およびタップ密度(タッピング密度)測定に影響を及ぼす充填構造変動要因
- 安息角測定や差角測定に反映される付着性および内部摩擦特性の評価要因
- 圧縮特性や圧縮試験(Compressibility)、粉体の圧密性評価に関連する可塑性変化要因
- 粉体流動性試験装置(Flow tester / Powder rheometer)による流動挙動解析時の条件管理指標
- 凝集性評価(Cohesion)や粒子間相互作用に影響を及ぼす表面状態評価項目
- 静電気特性を有する粉体における帯電挙動変化要因
- ホッパー詰まり評価(Hopper flow / Arching / Rat-holing)に関連する付着・ブリッジ形成要因
- 流動化特性(Fluidization properties)設計時における粒子間結合状態管理指標
試験の目的
- 粉体および粉粒体の含水率を定量的に把握するための基礎水分データ取得
- 粉粒体物性測定における水分影響評価および品質管理基準の設定
- 粉体流動性評価との相関解析による流動障害要因の特定
- かさ密度測定およびタップ密度測定との関係整理による充填性変動要因の把握
- 安息角測定や差角測定への影響確認による流動安定性評価
- 圧縮特性や粉体の圧密性に及ぼす水分影響の解析
- 凝集性評価や粒子間相互作用変化の定量把握
- 静電気特性変動要因の整理および帯電リスク低減検討
- ホッパー内詰まりや供給不良発生リスクの予測精度向上
- 流動化特性や乾燥・混合工程設計に向けた水分管理基礎データ取得
用途
凝集性、付着性、フィルター目詰まり、ホッパーブリッジ、輸送、静電気、爆発性
概要
含水率の定義は、業界によって様々である。これは使用する用途が異なることからと考えられる。
含水率の概念を3種類の状態を考えると、(1)表面付着水分、(2)一定温度で加熱した場合の質量減量割合、(3)強熱炭化によって薫蒸したときの水分となる。(1)はシリカゲル或いは除湿剤によって乾燥した場合の減量。(2)は恒温槽で一定の温度で一定時間加熱したときの減量(加熱温度及び加熱時間は業界によって異なる)。(3)は物質の内部(時には結晶水も含まれる)にまで含まれる含水率を示す。一般に、粉体ハンドリングで影響する含水率は(1)或いは(2)である。
原理及び理論
(1)表面付着水分
密閉した容器内にシリカゲルを入れると、シリカゲルが容器内雰囲気の水分を吸着し、容器内の湿度が減少する。そこで、容器内では温度の飽和水蒸気圧まで粉体等から水分を搾取して安定化しようとする。従って、飽和水蒸気圧になるように粉体等の水分が蒸発し乾燥する。また、真空乾燥器の場合は真空にすることによって雰囲気の飽和水蒸気圧が減少するため、前者と同様な作用が働き乾燥する。加熱できない粉体等に有効である。
(2)加熱する場合
一般的に、加熱温度は100℃以上とし、水の蒸発温度より高く設定する。このような状態では、ある程度内部に存在する水分も蒸発して乾燥する。
業界によって設定温度及び加熱時間が異なっている。例えば廃棄物関係では105±5℃で恒量となるまでとなっている。
食品衛生法では食品の状態で100~135℃、乾燥時間も1~3時間と幅がある。
(3)薫蒸する場合
有機性の可燃性物質は酸素が存在する状態では、燃焼によって水分が生成するため酸素を断った状態で数百℃で加熱すると、炭化して水分が蒸発する。この水分を容器に受け止め、カールフィッシャー試薬によって水分を測定できる。この方法では溶剤中の微量含水率の測定も可能である。
弊社での試験
弊社での試験は(1)及び(2)を採用し計算式は下記となる
- 含水率(%)=(A-B)×100/(A-C)
- A:加熱等による乾燥前の秤量瓶を含む質量(g)
- B:加熱等による乾燥後の秤量瓶を含む質量(g)
- C:使用した秤量瓶の質量(g)