体積抵抗率測定
試験の位置づけ
- 体積抵抗率測定は、粉粒体物性測定における電気的特性を評価する導電性・絶縁性確認試験
- 粉体特性測定の中でも、静電気特性を有する粉体の帯電挙動や放電リスクを把握する重要評価項目
- 粉粒体の力学特性や粉体流動性評価に影響を及ぼす帯電状態解析の基礎データ
- 粒子径分布測定(Particle size distribution)や粒子形状解析と関連づけた電気特性要因解析指標
- かさ密度測定(Bulk density)やタップ密度(タッピング密度)測定と併用する充填状態依存性評価項目
- 圧縮特性や粉体の圧密性評価に関連する導電経路形成解析の補助指標
- 粉体流動性試験装置(Flow tester / Powder rheometer)による流動挙動解析時の帯電影響評価パラメータ
- 凝集性評価(Cohesion)や粒子間相互作用に関連する帯電力影響解析項目
- ホッパー詰まり評価(Hopper flow / Arching / Rat-holing)における静電気起因トラブル解析指標
- 流動化特性(Fluidization properties)設計時の帯電制御条件検討項目
試験の目的
- 粉体および粉粒体の体積抵抗率を定量測定することによる導電性・絶縁性評価
- 粉粒体物性測定における静電気特性把握および安全対策基準の設定
- 粉体流動性評価に及ぼす帯電挙動の影響解析
- 粒子径分布や粒子形状解析結果と関連づけた電気特性要因整理
- かさ密度測定およびタップ密度測定との関係把握による充填状態依存性評価
- 圧縮特性や粉体の圧密性に及ぼす導電経路形成影響の解析
- 凝集性評価や粒子間相互作用における静電引力影響の把握
- ホッパー内詰まりや粉体搬送時の静電気トラブル発生リスク評価
- 流動化特性や空気輸送工程設計に向けた帯電管理基礎データ取得
- 粉体流動性試験装置による詳細評価結果との比較検証データ整備
装置
- 絶縁抵抗計 R8340A ULTRA HIGH RESISUTANCE METER(10~1,016Ω)
- ガード付電極(主電極φ25mm、対向電極50mm×50mm)
装置概要

測定方法
- ガード付電極の充填部に試料を容器容積いっぱいに入れます。
- 測定容器を高さ10mmまで持ち上げ、落下させて試料を圧縮充填します。
- この操作を50回繰り返し、絶縁抵抗計に接続します。
- 絶縁抵抗計の荷電スイッチを押し、通電1分後直ちに抵抗値を読みとります。
*印加電圧:直流500V *通電時間:1分間
- 充填密度は銅電極を取り出し、電極に挟まれている試料を秤量し計算します。
体積抵抗率の計算
(労働安全衛生総合研究所技術指針 静電気安全指針2007 粉体の抵抗率の計算より)
ρ:抵抗率R:抵抗の測定値(Ω)
A:主電極面積(0.000491m2)
d:対向電極との間隔(間隔=10mm=0.01m)
試料必要量
資料1:粉体の体積抵抗率と静電気危険性
(産業安全衛生総合研究所技術指針 静電気安全指針2007より)
導体と不導体は静電気特性が異なり、粉体の場合、体積抵抗率でその範囲を定義します。
体積抵抗率を測定することによって、粉体の帯電量を推定できます。
資料2:導体、不導体の帯電量の管理指標
(産業安全衛生総合研究所技術指針 静電気安全指針2007より)
可燃性物質が下表の最小着火エネルギーを示す場合は、可燃性物質及びそれに
接触する物質の帯電電位を下表の数値に管理する必要があります。
特殊条件下での測定
吸湿性の強い粉体、酸素反応性の高い粉体については、下図のように、グローブボックス内に電極セルおよび天秤を設置し、試料を大気環境から隔離して体積抵抗率測定が可能です。
取扱い可能な特殊環境
- 吸湿性の強い粉体 :露点-30~-40℃
- 酸素反応性の高い粉体:酸素濃度1%以下(雰囲気ガス:窒素、アルゴンなど)

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